昨今メキシコには自動車産業を中心とした製造業が一斉に進出しており、それに伴いメキシコに出張される日本人ビジネスマンも増えてきているように思います。

日本とは全く異なる文化をもったメキシコに挑むにあたり、ご紹介したいポイントを5つ書かせていただきました。

 1.メキシコ人の時間感覚

ラテン気質のメキシコ人は、基本的に時間にルーズです。日本社会の中でルーズと言われている人の5〜10倍ルーズなのが普通です。。

例えば9時から5時までの勤務時間だとしましょう。彼らに自然体で仕事をさせるとこのようになります。

09:00-09:30   この間に出社

09:30-10:00   朝食を買いに同僚と連れ立って外出

10:00-10:30   買ってきた朝食を食べながらおしゃべり

10:00-14:00   仕事(その間、母親に2回電話、友達に1回電話)

14:00-15:00   本来13:00開始予定の会議が参加者の遅刻により14:00に開始

15:00-16:30   昼食

16:30-17:00   なんとなく机に戻って音楽をかけ喋りながら退社を待つ・・・

アポは時間通りに始まらないものと心得てください。遅刻の度合いも、5分10分ではなく、「何時間」単位。また、昼食の時間が日本とは大きく異なり、15時くらいから仲間とゆっくり時間をかけて食べるのが一般的です。

メキシコ人は長時間労働するという統計もありますが、筆者が現地で感じたのは、勤務時間中のプライベート時間が半端じゃなく多いことです。

対策としては逐一自社の方針を伝えるか(激しい反発は必至)、「友人・アミーゴ」を最優先にする気質を逆手にとり、アミーゴとして距離を縮めた上で、お互いにどこまで許せるか・我慢できるかのラインを話し合って明確にし、その約束を日本人自らがきっちり守っている姿を見せることかと思います。

2.現地社員の給与と待遇

現地社員を雇用するにあたって、まずは給与を考えますね。そこで気をつけなくてはいけないのが、メキシコでは会社による社員に対する支給義務の項目が多く、複雑であることです。

医療保険、住宅積立手当、食料手当、休暇手当、年末ボーナスなど。日本人にとっては「こんなものまで会社負担が義務なのか?」と驚くような制度があります。

詳細は割愛しますが、よく調べてから給与を設定しないと、後から思わぬ支給義務に気がつき、加算に加算をした結果、人件費が予想の数倍に・・・ということになりかねません。現地の法をよく調べて進めましょう。

3.現地社員の採用面接の注意点

現地スタッフ採用の面接にあたり、気をつけてほしいことは「メキシコ人はアピール上手で話を盛る」ということです。

彼らは「自分はあれもできる、これもできる」と上手にトークを盛り上げて実力をアピールしてきますが、実際やらせたらできないことも。謙遜という文化をまったく持っていないことを忘れてはいけません。

対策としては、実際のケースを想定した問答をすることや、実務系であれば実際に少しやってもらうなど、「論より証拠」の方針でテストをすることかと思います。

4.メキシコ人の転職事情

メキシコ人は、簡単に給与を人に喋ります。日本人にとってはデリケートな話題に思える給与や家賃などは、彼らにとっては日常会話の一部。お互いに給与情報を交換されると、その後に起きるのは「給与交渉」そして「あっけない転職」です。

特に昨今は、日系企業を含めたくさんの製造業がメキシコに進出しているため、労働市場は売り手市場となり、ワーカーたちはより良い収入を求めて次々に職場を渡り歩いていきます。

「待遇は喋られるものだ。地域のメキシコ人ネットワークには自社の待遇に関する情報は既に流れているものだ」と思った上で、社員の給与決定や昇給のネゴに向き合いましょう。

5.治安対策

メキシコに日本人が足を踏み入れるにあたり、どうしても避けられないのが治安に関する話題です。

マフィアによる殺人事件、大量誘拐といった凶悪事件は、なかなか直接身にふりかかっては来ないかもしれませんが、スリ、窃盗、強盗、空き巣、車上狙いといった犯罪は日常です。

ただでさえ日本人は目立ちますし「いいカモ」です。最低限、以下のことに気をつけてください。

  • 人から見える位置にiPhoneを持たない。置かない。ポケットにも入れない。
  • カバンは口がしっかり閉じられるものを使用する。
  • 一目で分かるブランド品は持たない。
  • 流しのタクシーではなく、Uberやチャーター車を使う。
  • ATMの使用前後は周囲の人間をいったんまく。
  • 車から降りる際は、荷物はトランクに入れ、外から見えない位置に。
  • その場合でも、パソコンは車内に置かずに持って出る。トランクに入れてもレーザーで探知される。
  • 公共交通機関はなるべく乗らない。どうしても長距離バスに乗る際は、なるべく上のクラスを利用。ノンストップで目的地まで行く路線を選択する。

困難が予想されそうな項目ばかり書きましたが、その大変さから救ってくれるのもまた、メキシコ人の陽気さだったりします。

事前に適切な情報収拾をすることで不要なトラブルは回避して、存分にご活躍いただきたいと思います。

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