皆さんは駐在希望者の人気No.1の赴任先をご存知ですか?

2013年の英国人材紹介会社のハイドロジェン社の調査によると、トップ3は、

1位)米国

2位)英国

3位)オーストラリア 

という順のようです。

日本人も同様で、米国は「一度は赴任してみたい国」、という方が多いかと思いますが、米国で生活する上での注意点も多々あります。

今日は米国ミシガン州で駐在2年目(海外生活経験は数十年)の、現役の日系企業駐在者RYUさんに、米国での駐在生活について少し長めにインタビューしましたので、ご紹介したいと思います。

ちなみにミシガン州はこちら。

デトロイトを中心に自動車関連の日系企業が古くから進出している州で、産業も自然も豊かで日本人駐在者も多数いらっしゃいます。

今回は、ミシガン州に限らず、米国全般の生活について、非常に的確かつ実用的なお話が聞けましたので、これから米国に赴任される方、出張頻度の多い方は、参考になる部分が多々あるのではと思います。

バラバラと、私のまとまりのない質問にも、丁寧に答えて頂きました。RYUさん、ありがとうございました。それでは、インタビューをどうぞ。

Q.日本からの出張者に多いトラブルがあれば教えてください。

まず、飛行機の遅延の多さです。米国で飛行機乗り継ぎの出張の際に注意しなくてはならないのが飛行機のタイムスケジュールです。日本の電車のように、頻繁に遅延やフライトキャンセルが起きるため、かなり余裕を持った時間での乗り継ぎスケジュールを設定する必要があります。

その他のトラブルとしては日本のクレジットカードしかお持ちで無い場合、使用できない場所や現金の引き出しができないことがありますので、ある程度のUSドルをお持ち頂く事をお勧めします。また、日本とは法律が違うため(特に車に関して)、出張先の州法を事前チェックした方が良いです。細かい点では、ガソリンを入れている最中に車内にいてはNGというものもあります。

Q.現地スタッフのオペレーションや、意思疎通で注意すべき点、気を付けている点はありますか?

アメリカ人とは曖昧な意思疎通は基本的に無しと考えた方が良いです。そのため、英語に自信があっても分かりやすい単語を使ってはっきりとお互い認識をしっかり合わせておくことが重要です。イエスかノーか、確定なのか未確定なのか、会話したあともメールで内容を送る、など。会議などでは、大体これは分かってくれるだろう、とは思わずに自分が伝えたいことは必ず発言して意識付けさせる必要があります。一言で言えば、直接的なものの言い方がより好まれますし、後でトラブルにもなりません。

Q.ビジネス上で驚いたことや、日本とのギャップがあれば教えてください。

海外の多くがそうであるように、日本のように相手側に細かい配慮のあるサービスや心の汲み取りを期待してはいけません。要望事項や対応できない旨、指示内容ははっきりと伝える必要があります。また、極端に残業・休日出勤などを避ける傾向にあるため、急ぎの仕事や物量が多い仕事に関しては週の初め、朝早い時間に伝えて、できるだけ前倒ししながらこなしていく意識が必要です。また良く言われているように、アメリカは契約社会ですので、新しい取引先、仕入先とビジネスを開始する場合は日本の総務などにも相談して契約書で自社が不利にならないように注意する必要があります。

Q.米国での失敗談があれば、お聞かせください。(仕事面、生活面)

国内線で乗り継ぎをする際に、飛行機のフライトが2時間以上遅れ、乗り継ぎ便を逃したことがあります。逃さないまでも、フライト遅延が頻繁に起きるので余裕を持ったスケジューリングが必要であることを痛感しました。また、スキミングの被害が日本とは比較にならないぐらい多く、小生は米国滞在2年になりますが、すでに家族で3回のスキミングの被害にあっております。毎月カード明細をチェックし、認識の無い支払い項目が無いか細かく目を通す必要があります。その他失敗談としては、米国のホテル滞在時、歯ブラシや歯磨き粉が置いていないことが多いので持参が必要です。

Q.赴任するまでに日本でやっておいたほうが良いことがあれば、アドバイスをお願いします。

まずは最低限の英会話(あいさつ、入国審査で受け答えなど)は必要と考えます。また、ESTAや国際免許の準備、ある程度の現金の準備をしておいた方が良いと思います。駐在する場合は、ソーシャルセキュリティ番号取得のための書類(戸籍謄本など)も準備が必要になります。

Q.米国での交通ルールの注意点があれば教えてください。

交通違反をした経験はありませんが、よく捕まるのが、スピード違反です。制限速度を注意しながら運転されるようにご注意願います。違反をすると背後からパトカーに呼び止められますので、即座に車を寄せて停車してください。警察が降りてくるまで、手は膝の上に置くようにしてください。間違ってもダッシュボードに手をかけたりしないようにしてください。銃を取り出すと思われ、取り押さえられることもあります。また、日本の交通ルールと違って赤信号でも車が来ていなければ右折しても問題ありません。運転マナーは日本よりも数段悪く、横入りや、煽ってくる車がいますが、車間を保って安全運転を心がけるようにしてください。

Q.米国の治安について、危険な目に遭った体験談があればお聞かせください。

車で信号待ちをしている時に横に停車した車からバケツを出されて金銭をせびられたので、無視していたら、車が走り出した時にしばらく追いかけられたことがあります。また、車のフロントグラスに生卵を投げつけられたことがあります。ワイパーを使うと視界が無くなるので、そのまま走り抜けました。いずれにせよ、間違って治安の悪い地域に入り込んでしまった場合は、進まずに来た道をすぐ戻るのが良いと思います。

Q.治安の悪いエリアの見分け方はありますか?

よく治安チェックに使用されるサイトがありますのでご紹介致します。

SPOTCRIME.COM スポットクライムドットコム

一般的にダウンタウン周辺は人も多く、犯罪率が高いです。基本的にアメリカでは治安の良い所でも夜の一人歩きや人気の無い場所の出入りは避けることが賢明です。また、一般的にMOTELや酒屋が密集している地域は治安が悪いイメージがあります。

なお、治安が良いとされている地域では、必要以上に神経質になる必要はありませんが、戸締り、車庫ガレージの開け閉めは最低限注意してください。家の防犯は実際にセキュリティ会社と契約していなくても、市販のアラートをダミーで取り付けて、玄関先にアピールする方法もあります。また外出先で車を駐車場に停める際には、貴重品は車の中に絶対置いてはいけません

Q.英語の効果的な勉強方法があればアドバイスをお願いします。

現在、英語を学習する方法は多岐にわたっておりますが、結局本人のやる気さえあれば方法は選ばず上達すると思います。お金をかける必要はなく、YoutubeやPodcastなどで人気の高いものを選んで簡単なものから学習すると良いと思います。買物やレストランでも単なる挨拶だけでなく、プラスアルファ一言会話をする癖をつけると実戦英会話経験と会話力がグンと上がります。

Q.渡航にあたり、役に立ったサイトがあれば、教えてください。

渡航前に利用していた現地生活のサイト(掲示板)の情報が役に立ったので下記にご紹介致します。

ミシガン口コミ情報

後は、情報があまり無かったので、ミシガンに住んでいる日本人のブログをいくつかチェックすると役に立つ情報が溢れています。また、サイトではありませんが、ミシガンの場合は「シカゴ・デトロイト便利帳」を非常に重宝しました。

Q.駐在者の給与や手当の相場はありますか?

日系の会社では、駐在者の海外手当はバラつきはありますが、全体的に総額が国内給与の1.5-2.0倍と考えて下さい。会社によって福利厚生・補助も差が大きいですが、基本的に家賃は全額負担の会社がほとんどです。教育費に関しては公立の学校に入る前の幼稚園費用、及び日本人補習校の補助は出してもらえる会社が多いです。

Q.米国では、民間の医療保険に加入しているケースが多いと思いますが、会社加入の保険の使い勝手はどうですか?

当社の場合の例ですと、生命保険(病院関連)、車の保険、眼科保険、歯科保険に加入しております。米国では保険がそれぞれ細かく分かれております。生命保険と車の保険については、複雑な面もあるので勝手が分かりやすい日本の保険代理店と契約をしております。

Q.子供の学校や塾、日本語教育はどのようなパターンが一般的ですか?

一般的なのは、平日は現地の公立の学校に通わせ、土曜日の日本時学校で日本の教育を補うというのが一般的です。日本の学習塾もありますので、高学年頃になると通わせているご家族が多くいらっしゃいます。また、現地校では高学年になってくると英語も高度になってくるため、日本人の小学生では通常の算数などの教科が英語で理解できなくなってきます。そのため、英語の家庭教師を兼ねて一緒に算数なども見てもらう、というパターンもあります。

Q.ミシガンのお勧めスポットはありますか?

自然に溢れているので、それを楽しめる場所をお勧めします。具体的にはマキナック・アイランドやトラバース・シティ、各地のファーム(牧場)やメトロパークに行くと良いと思います。また多くのアウトレットがありますので買物が好きな方は足を運んでみてはいかがでしょうか。その他、有名なミシガン大学がありますので、そこでフットボールの試合を観戦するのも楽しいと思います。

休日には、春から夏にかけては、駐在員はゴルフや釣りを楽しんでいる方が非常に多いです。また、春から秋にかけて牧場などで毎週のようにイベントが開催されていますので、足を運んでいるご家族が多いです。また、アメリカの4大スポーツである野球、バスケット、フットボール、アイスホッケーの観戦も楽しめます。少し足を伸ばせばシカゴやカナダのトロントにも行ける距離ですので、皆様よく訪れています。

Q.現地生活で何が一番大変ですか?(生活面と仕事面)

生活面で一番大変なのは食生活です。日本食材スーパーや日本食レストランもありますが、非常に高額であることと、やはり味はどうしても日本と比較すると落ちてしまいます。また、日本のようなコンビニエンスストアへちょっと買物、という感覚で買物に行けず、水を購入するにも車を出して近くのスーパーまで行かねばなりません。またミシガンでは冬の寒さが大変厳しく、時にはマイナス20度を越えます。そのため、あらゆる防寒をしても外出がほとんどできない日々を過ごすことになります。

仕事面では、やはり現地の客先や仕入先との英語でのコミュニケーション、文化の違いなどで戸惑う部分が多くあります。また、駐在員の場合、日本とのやりとりが多いと思いますが時差があるために、真夜中の電話会議やメールのやり取りの対応をせざるを得ない状況が多くあります。帰国や出張の際にも非常に時間と金額がかかり、日本との距離を常に感じます。

Q.最後に、これから現地に来る駐在者へのアドバイスがあればお願いします。

アメリカと聞くと、先進国で何もかも揃っている、便利で非常に暮らしやすい国、と思い浮かべてしまうかもしれませんが、実際はその逆です。特にミシガンは田舎であり、日本のような便利さを求めると非常にがっかりすることになります。差別行為や凶悪犯罪に巻き込まれることはほぼ無い、と言って良いですが、やはり日本のように安心して生活することもできません。しかしながら、ここでしかできない経験やメリットも数多くあるので、前向きに楽しいこと、良いことを探して暮らしていくことが、アメリカ生活を充実したものにしてくれると思います。

 

以上いかがでしたか?

帰国後の評価では、米国駐在は、非常に素晴らしい経験だったという方が大半のようです。ご自身とご家族の安全、健康に留意することでより楽しく充実した駐在生活になるかと思います。

米国といっても広いので、都市によって趣きも異なるかと思います。渡航する前に現地にいる同僚から最新情報やアドバイスを得ることをお勧めします。

RYUさん、貴重な体験談をありがとうございました!

スポンサーリンク